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八王子中屋ジム プロモーターの喜怒哀楽
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 チャーリーに何としてもアメリカで試合をさせてあげたい。

 1月の試合をアメリカ側のプロモーターに依頼している。

 2年前は本人の希望があり多くのタイトルマッチを日本で行なった。経済的にはきつい事もあったけれど、チャーリーは結果で答えてくれた。

 今年は3月にとうとうアメリカデビュー戦を行なう事が出来た。NYシティのど真ん中、マディソン・スクウェア・ガーデンのシアターにて、セルジオ・マルティネス、HBOのアンダーカードでの試合。見過ぎではあったけれどもTKOで勝利。

 しかし狭き門を目指すが為、結果を出すのみでは十分ではなく、その影響もあり後のアメリカでの試合は話しが出ては消え、試合が中々行なえない日々が続いていた。

 11月にチューンアップ戦として日野市で試合を行ない、タイトルを持つスーパーウェルター級、からウェルター級まで戦える事をみせたチャーリー、アメリカ人にとっては大切なクリスマスを跨いでも構わなからと試合を望んでいる。

 チャーリーが望むその道は世界中のボクサーが目指し、憧れる舞台だ。だからこそ、その競争率は激しい。

 荒川も淵上も世界タイトルに絡む試合を海外で行なえたが、本当の意味での世界、その中心、メジャーの地で戦ったのはチャーリーだけだった。

 自分が海外に出た際一番名前を聞かれたのが、世界線を行った淵上でもなく、挑戦者決定戦を行った荒川でもなく、チャーリーだった。別に彼の名が発音しやすかったからではない。

 チャーリーはわかっている、戦うこともボクサーの仕事だけれど、待つこともまたボクサーの仕事なのだ、ということを。

 だからこそ、彼が何を待っているのかを示してあげることが、自分の仕事なのだと思う。

 今、八王子中屋ジムの一番の目標はチャーリーの試合を決めることだ。できるならばNYのかりはNYで返したい。

 決して自分が住んでた場所にまた行きたいわけではない。いや、それもあ、、、


 
 
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(少しずつ片付いてはいる。)

日本に帰って来て以来、いつもの雑務に追われている。

引っ越してからそのままになっているものをどんどんと片付けているのだけれど、中々終わりそうにない。年をまたぐよこれはきっと。

ジムは年末という事で練習に来ている人達も少なめだ。

忘年会、仕事の締め等、みんなきっと忙しいのだと思う。まさかそのまま全然来なくなったりして、、

うちのジムは練習生を募集しているけれど、具体的なキャンペーンや呼び込みをした事がないらしい。

同時にスカウトもした事が無い。正確に言えば長の会長がそ必要は無いと思い、実際に本人はスカウトに動いた事は無い。いつも来てくれた人が最高のお客さんであり、選手なのだ。

ビジネスの側面からうちのジムを覗いてみる。きっと何と愚かな事ばかりだろうと周囲からは見えなくもないはずだ。自分たちもその意識が足りない事を自覚している。

しかしだからこそ得ているものがある事も自覚している。

要は何に信念を持っているかだ。

自分の信じた道で今年は何度も海外に行けた。しかしビジネスは厳しかった。重要なのは行く事ではなく、何を成せたかという結果だ。

来年こそはその結果を出さなければならない。その為に、という意味でビジネスも頑張らなければならない。

この順番が変わらない限り、ジムは前に進んで行けそうな気はする、と現実的な雑務の中、感じている。


本日、3週間ぶりにジムに戻って来た、ああ、寒い。

引っ越してから物を片付けていない状態でジムを出てしまったから、いろいろと溜まっている。これだ、これ、まず自分がやらないといけない事は。

カレンダーが完成した。


(皆、笑ってますな。)

本来は11月の中頃、沖縄に出る前に終えている予定だったのに、やはりずれ込んでしまい、結局は日本に帰って来てから昨日完成した。

日本に帰って来て以来カレンダーは自分が制作しているのだけれど、少しずつ、確実に制作するのが大変になって来た。時間やエネルギーの使い方を考えないといけなくなってきたんだと思うんだ。

最初に制作したのは帰って来た年の2010年だった。


(何故バックが宇宙だったのか、特に意味はなかった)

この頃はまだ誰もタイトルを獲得していなかったが、荒川、淵上、チャーリーが日本で1位となり指名挑戦者として次の年に向かおうとする挑戦目前の年だった。経済的にはかなり苦しかったのを思い出す。今はスケールが大きくなり苦しくなっている。

そして日本タイトル獲得ラッシュとなった2011年


(爆発、みたいな)

この年は指名挑戦者達がそれぞれしっかりとタイトルを獲得し、ジムが爆発したような年だった。防衛戦もしっかりとこなし、3王者が東洋王者ともなり、新たにデビューした選手達も加わって盛り上がった年。実はこの年、八王子中屋ジムは日本のプロボクシングジムで勝率、KO率、全国No,1だった。

そして挑戦、その為の我慢の年だった今年、


(真剣な顔そのまま、我慢の年でもあった気がする。)

海外での試合を中心に我慢することしきりだった。B級でデビューしたアマチュアキャリアのある新人達や、同世代の野崎がユースタイトルを獲得したのは嬉しい事だった。
その反面、それ以外の選手達が特別な結果を残せず底上げ出来なかったのは、トップの選手達に注ぐ力が多くなっってしまったことと無関係ではないはずだ。

今年は改めてしのぎを削り合いながらも、笑顔でがんばっていけたらと思う。そこに結果を求めなければならない事がこの仕事の苦しくも素晴らしい所だ。

肩書き的には制作の中心にいていいのかとは思いつつ、出来る限り関わりたいとも思っている。つまりもっとやらなきゃならない事があるのではないか、

この無駄とも思えるこだわりが、どこかで今のジムの力と重なっていたりもする、と信じたい。

(闘牛なんかにも行きました。)

沖縄から始まり、メキシコシティ、カンクン、ラスベガスと続いた3週間の海外遠征はロスでもって終わった。

結果だけをみれば実りがあったとは決して言えないが、間違いなく次の段階に進んでいるが故の、経験をしてきたんだと感じている。まぁ、その経験をする前に、やらなければならない問題が全然片付いてはいないのだけれど、、、

思えば去年の12月もラスベガスに来ていたんだっけ、あれはWBC総会の為だった。

あの時は初めての参加で、何が何だかよくわからないうちに終わってしまった、スロットマシンとは無縁の日々。

けれどもあの総会から始まったのが淵上の世界挑戦の話であり、より固まったのがチャーリーのNYでの試合だった。前者は自分の行動で、後者は他の力を借りてその後に実現まで至った。今回も次に繋がっているはずだと信じたい。


海外での経験は様々な事の視野を広げてくれる。

けれどもそれを受け止めきれぬうちに、時間はどんどんと過ぎて行ってしまう。

帰国してから現実と擦り合わせ、前に進もうとするが一番大変な事だと常々感じるのは、現実は日常の中にこそあるからなのだろうか。


カンクンの自分が宿泊していたホテルでは、巨大な敷地内にあるレストランやバーでの飲食は全て無料だった。ホテル代に含まれているらしく、パラダイスのような現実的でない世界に異様さを感じたものだった。

そんなカンクンでローカルバスに乗った時、寝過ごして観光地ではない、内陸の現地の町まで行ってしまった事がある。

白い砂浜、豪華なホテルが、目を覚ますと荒い砂風、寂れた家並みに変わっていて度肝を抜かれた。

ホテルの人が言っていたが、このような町人達の多くがホテルや観光客相手に働いているらしい。

そんなホテルの人達の働きぶりは優しかった。しかし、どこか憂いある雰囲気を漂わせ、仕事をたんたんとこなす彼らの姿を見て、自分が現実に引き戻されていく感覚を覚えた。

八王子に着いて、その寒さに夢から覚めている今、夢と現実の狭間で生きる彼等の姿に、今回一番の学びを感じた気がした。

(衝撃的出来事)

昨日、ラスベガスはMGMで行なわれたパッキャオvsマルケス戦を生で
観戦する事が出来た。

関係者の方でチケットを用意して下さり、会場内でしっかりと見る事が出来たんだ。本当にありがとうございました。

自分は他の目的があってべガスに来ていた、どちらかに賭ける為、それもやりたかったが忘れていたよ、バタバタしていて。

そして今回はおかげさまでお金をスルことはなかった。予想だにしない内容と結果で試合は終わったからだ。

まさかマルケスが、パッキャオに対し一番劣っていたはずのパワーで勝つと誰が思っただろうか、どうかそのパワーが練習の賜物であったと信じたい、、、

パッキャオの今までの対戦者に対してのアドバンテージは常にスピードであった。そこにパワーも加わっていたからこそ、圧倒的に試合を進め続けられてきたんだと思う。そして先にパンチをコネクトしてから自分のペースに持ち込むのが勝利のパターンだったはずだ。

しかしマルケス相手にだけは、それが今まで中々出来ていなかった。パッキャオのスピードを殺させるマルケスの技術と勇気はすごいものがある。


べガスのビッグマッチを見たのは今回が初めてだった。

世界中で大小さまざまな試合を観て来たけれど、べガスで見ていなかったと言う事はある意味、まだ何も本当のボクシングに触れていなかった、と言ってもよかったのではなかろうか。そう思わせる程、良い雰囲気だった。

そして観客に目がいった、ド派手なかわいい子が沢山いたから、と言うだけではなくて、いったいどんな観客達がこの試合を観に来ているのか気になったんだ。

メキシカン、フィリピーノは当然多くいたが、思いのほかそんなにボクシングに詳しくはなさそうな一般的な白人も多く会場で見られた。

これはきっとパッキャオの人気が一般レベルに浸透している証拠なのだと思った。

一般の人達にとって、マルケスはメキシカンのお客を呼ぶレベルまでの知名度でしかなかったはずだ。しかしそのメキシカンが一番の動員力を誇っていたのだろうけれど、、

普段ボクシングに気を止める事が殆どないはずの一般的なお客が「あの試合を会場で見ていた」ということに喜びを持たせる程、パッキャオの知名度はアメリカに一般レベルで浸透しているのだろうと思った。

今回は今までの二人の対戦に比べてフィリピーノの数が少なかったらしい。きっとチケット代が高くなっていった事、経済力を持つ一般客が会場に足を運んだことがその要因でもあるのだと感じた。

他にもいろいろと感じる事はあったけれど、基本的にはメインイベントのあまりの内容の濃さに、感じた事について思考するまでにいたらなかった。

衝撃をどんな試合にでも、特にメインイベントにその可能性をどれだけ匂わせられるかが、この競技のプロモートにおいて大切な部分なのだと思った。

本日LAに向かう。今度もまた関係者のお陰だ。今度来るときは少しでも自立出来る力を付けねば、、

皆さん、この度も本当、ありがとうございました。
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